いらっしゃい、店長ですみません。

2018年5月5日より新高円寺にオープンした水道橋博士のお店「はかせのみせ」の店長日記。

ひとくくりにするな!

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ジャンルを細かくし、ひとくくりにする事で、あらゆる事をカテゴライズする事で、解ったようにしてる風潮は、非常に危ない。だって、解った気になっているだけで、理解していないからだ。

なんでもかんでもカテゴライズして、ひとくくりにしては網の目を細かくして生きづらい世の中になっている。もっと雑で大雑把な方が、その多種多様性に気がつき、理解が出来ると思うのに。

ひとくくりにした事で、くくられたその全てが同じように感じてても、実際はその中にだって多種多様な人がいるんだから。ガテン系とひとくくりにしたところで、ガテン系が全員ガサツで、大盛りのイメージで語られるだろうが、中には小食で繊細な人もいるだろう。ひとくくりにしたところで、人は多様なんだと言うことが見えてこなくなってしまう。だから、もっと雑で大雑把で良いんだと思う。

例えば音楽をカタカナ、ひらがな、アルファベットとカテゴライズしたとしよう。カタカナは洋風で、ひらがなは和風、アルファベットは洋楽だと間違ってはいなくても、『ア』もあれば『モ』もある。アはアメリカンな印象を受けてもカタカナ全てがアメリカンではない、だってモはモスクワっぽいかもしれないだもん。カタカナとカテゴライズしただけである種の同一性があっても同一ではない。カテゴリーが細くなればなるほど同一性は上がるだろうが、同一と勘違いして間違いが起こる。だって同一では無いんだから。

ネコとひとくくりにしても、マンチカンもいれば、シャムもいるし、ロシアンブルーだって、アメショーだっているってこと。一見どれもネコだけど、違うと。いや、ネコで例えるとややこしいな。

ひとくくりに犬と言っても、チワワもいれば、土佐犬もいるし、シャパードだってドーベルマン、フレンチブルドックだている。こうなると食べる餌の量も違えば、鼻ぺちゃで飛行機に乗れない犬種もいる。間違いはそこで起こる。

このようなことがあちこちでボヤを生みやがて大きな火事、炎上につながってしまうんじゃなかろうか。細かな齟齬の積み重ねがやがて大きな齟齬を生む。手元で2度狂ってた角度は数メートル先ではわずかなズレかもしれないが、数10メートル、数キロ、と離れれば離れるほど大きなズレになる。

もっと牧歌的でゆとりのある、アソビが必要だと。ネジを締めすぎると逆に強度が弱まるように、アソビがないといけない。大雑把であれば、”その中に”を常に考える頭になるんだから、はなっからあらゆるものを決めつけてしまいかねない過度なカテゴライズはするべきではないんだよなぁ。

で、著書『パ紋』の話を。すでに発売から1年経とうとしています。さすがに大きな書店でもなかなか探すのに苦労すると思います。基本的にデザイン系の棚にカテゴライズされていると思います。ごく稀にサブカルやタレント本の棚にカテゴライズされてたりもしますが、デザイン系が多いです。しかし元々パ紋というモノが無かったモノなのでどういうカテゴリーに収めるかとなった時に、まぁデザイン系に置かれたんだとは思いますが、読んでいただければ解るとは思いますが、単なるデザイン集でもなければ、デザイン本でもないんです。読めるデザインとでもいいましょうか、そもそもデザインとはそういうモノだとは思うんだけど、超視覚的読み物というのか、あらゆるデザインにはその意味があるわけで、それをもう少しだけ言葉よりに図案化した人物伝でもあると思っているんだけれど、まぁそこまで理解して手に取ってとは言いませんが、開いてみて「なんだコレ?」と思ってもらえたらいいなと思っているんですが、そもそも書店の棚からすでに消えつつある状況ではそれも難しい。日々(と言いつつなかなかその時間を作れない日々が続いてたりもして遅れていますが)ツイッターで最新作をアップしてたりするのでそれを入り口に少しでもというか、将来的には紫綬褒章とか、文化勲章が欲しいので大々的にもっと本も売れて欲しいけど、2冊目とまではまだいいませんが、せめて増刷かかって、帯をぜひねむきゅんに書いて欲しいので売らなくちゃならんのですよ。

 

パ紋

パ紋